田舎で暮らすほんとのところ・・・田舎って怖くないの?

私が思う田舎で暮らすこととは、都会の喧騒から離れて広々とした土地のなか、澄んだ空気の中のんびり暮らすこと。

子育てやお勤めを終えて第二の人生を田舎でスタートさせる人、のびのびと子育てが出来るからと子連れで移住する世帯、様々な理由で憧れて田舎暮らしを始める人…、ネットで仕事ができるので、更に最近増えてきていると聞きますよね。

けれど、「実際田舎暮らしってどうなの?」「田舎暮らし、興味はあるけど実際暮らしている知り合いはいないし、どうなんだろう。」と、は思われている方も多いのでは?

今回、東京にも(遠い昔になりましたが)住んだこともあり、現在、田舎在住の私が感じる田舎暮らしについて書いてみようと思います。

田舎暮らし こんなメリット・デメリット

田舎暮らしのメリット
・都会に比べて物価が安い
・空気や水が澄んでいて美味しい
・人口密度が少ないので、のんびりと暮らせる
・広大な自然が広がっているので、子供をのびのび育てられる
・土地が余っているところでは格安で畑を借りることが出来、比較的簡単に家庭菜園を始められる
・近所付き合いが濃い(デメリットでもある)

田舎暮らしのデメリット
・田舎には希望の働き口がないケースがある
・給料が安い(ことが多い)
・公共交通機関が発達していない(寂れている)ので、車がないと生活しづらく、年をとると移動が大変
・子供が大きくなると別の土地へ進学せざるを得ない場合が多々ある
・近所づきあいが濃い(メリットでもある)
・その土地独自のルールがあり、他所から移ってきた人は馴染むのに時間がかかる

ざっと思いつくだけでも、上記のことが挙げられます。

憧れの田舎暮らし…実はちょっと怖い、かも。

仕事やプライベートが立て込んでいる時、「どこか遠くへ行ってしまいたいなぁ…」なんて思うことありませんか?
私は東京で働いていた時、しばしばありました。
朝は混雑した電車、物は高い、なんだかせかせか…
円高時代だったこともあり、年に2回は海外に逃亡していました。

「早く都会の喧騒から離れて、実家に戻りたいな…。でも田舎は田舎で仕事ないし給料安いからな…」と思ってました。
ある時、九州に帰るにはお金がかかるので、ちょっと足を延ばして数日間、田舎へ旅行してみようか、くらいな気持ちで、田舎町に行ってみたことがあります。

私が訪ねたのは、海に程近い小さな町でした。
景色は奇麗だし、空気は澄んでいて美味しいし、魚も美味しいし、なんて良い所なんだ!と思いました。

しかし、田舎暮らしっていいかも、と思った私ですが、うーん…と思うような出来事がありました。
注:現在は九州の田舎町に住んでますが、育ったのは九州内の県庁所在地だったので、少しは今よりも便利なとこでした!

それは帰る日の朝、泊まっていた町でちょっとしたお祭りが行われていました。
地元の人以外でも気軽に参加出来るようだったので、私も参加してみました。
あおさのお味噌汁や焼き魚がふるまわれ、美味しく至福の時を過ごしていたところ、あるおじいさんが私に突然話しかけてきました。

「ここ数日、潮の流れの影響で小魚が沢山獲れるようになった。美味しい魚ではあるが、この町の人たちだけでは到底捌ききれる数ではない。なので持って帰ってくれないか?」とのことでした。

困っているようだったので、力になれれば良かったんですが、当時私は一人暮らしをしていたし、料理もそんなに得意でもなかったので、正直にそのことを伝え、「一人分なら持って帰れますよ。」と申し出ました。

しかしおじいさんは私の話なんてどこ吹く風。
「食べきれなかったらご近所に配ればいい。車で来てるんなら持って帰れるだろう」と半ば強引にゴミ袋1袋分もある大量の小魚を渡してきたのです…!
有難く魚は頂いて帰りましたが、片道車で2時間ほどの帰り道、魚の匂いにまみれながら岐路に着いたのです。

私はその時に気付きました。

観光客にすらあんな感じだから、そこに住むとなればそれ以上の関りが待ってるはず…
どこもかしこもそんな土地ばかりではないにしても、大なり小なり田舎には、都会以上に人との距離感が自分の意図しない距離なことがあるんだろうなぁと、ひしひしと感じました。
その土地に住む以上、そこに馴染む努力をしないといけないんだろうなと思うと、ちょっと怖くなった瞬間でした。

都会のマンションで、隣人の顔も分からないような暮らしをしていた当時の私には、魚を配り歩くアテもなく
その日の晩御飯に一度食べたきりごめんなさいと捨ててしまうほかありませんでした…
(食べ物を無駄にして本当にごめんなさい…)

田舎で暮らすのはなかなか大変そうだぞ?
案外、希薄な人間関係だけど都会のほうが暮らしやすいのかな?と感じた体験でした。
(気づけば、今の私は田舎生活にどっぷりつかっているのですが…www)

田舎暮らしは怖いことばかりではないのかも、という話

先ほどの旅行先での話とは一転した話なのですが、私の友達は、田舎にある実家を旦那の両親から譲り受け、夫婦&子どもと暮らしています。

実家の周りはそれこそ自分たちの親より年配のご夫婦ばかりで、小さい子供はおろか友達夫婦のような若い世代もかなり少なくなってしまったような土地です。
近所に新築が建とうものなら、別に呼んでもないのに隣近所の人たちが家の中を見学しに来るような田舎です。

そんな田舎にも関わらず、友達夫婦は良いところもあると言っています。
自然に囲まれた土地でのびのびと子育てが出来るということだけじゃなく、子育ては孤独になりがちだけど、家の外に出れば隣近所のおばさんたちが声をかけてくれ、心配してくれ、食べ物をくれたり子供の遊び相手になってくれたりするんだとか。
公民館でのお祭りでは子どもさんがカラオケで歌って、アイドルのような扱いを受け、子どもたちもご満悦なのだとか。
しかも、年配者に気に入られるような、年上世代の歌が大得意とか…www

また、昨年の九州北部豪雨の時に一時避難していた時も、すごく近所同士のつながりが励みになったようです。
子育ての大先輩方に囲まれて、良いこともいっぱいあるよ、とのこと。

人付き合いのことだから時にはしんどいこともあるけれど、嫌だったら適度な距離感を保ってやり過ごせば良いだけだと友達夫婦は言います。
その距離感がなかなか難しいと私は思うんですけど、子供が出来たら親はやはり強くなるんでしょうね。

人間関係が希薄になりがちな現代。田舎での子育てはなかなか貴重な経験になるのかもしれないですね。
子供にとっても家族以外の大人と接することが出来、良い経験になるに違いないですね。

まとめ

長々と語ってしまいましたが、まとめると、

1.田舎暮らしにはメリットもあればデメリットもある。それは当然。
2.田舎で暮らすには、避けきれない人間関係の煩雑さがあることもあり、住むならその覚悟が必要。
3.田舎暮らしは子育てするのに良い面もいっぱい。希薄な人間関係になりがちな現代では親子共々貴重な経験が出来るはず。

繰り返しになりますが、昔に比べて人間関係がどうしても希薄になりがちな現代、人の温かさに触れられる良い機会となるのが田舎暮らしの醍醐味なのかもしれませんね。
田舎暮らしの煩雑な人間関係を怖いな煩わしいな、と感じるか、そうでもないよなーと感じるかは千差万別、人それぞれかとは思います。

私は旅行先での経験もあって、今のところに引っ越した時は、正直、あまりご近所さんと関わらないようにしようと思っていました。
けれど、友達ができ、ご近所さんとも付き合い、その土地で結婚して親になり子育てをするようになって、友達夫婦のような意見も分かるようになってきました。

田舎には田舎にしかないような、そこに暮らす人特有の優しさがあるのを感じています。
立場や環境が変われば、見方も変わるものですね。

感じ方は人それぞれです。
田舎暮らしに興味がある方もそうでない方も、九州は美味しいものや自然や温泉がいっぱいあるので、まずは遊びに来てほしいと思います!